こんにちは

さようなら

「誰もがリーダーになれる特別授業」読書メモ

第1章

要約
  • リーダーとして成長するために、リーダーとして考えることを学ぶ
  • 自分の頭の使い方は過去の経験の産物
  • 考えるだけではなく行動することで、リーダーシップとはどのようなものかについてアウトサイトが高まる
  • アウトサイトは三つの要素から構成される
    • 新しいやり方(仕事)
    • 新しい関係性(ネットワーク)
    • 外界に対する新しい関わり方(自分自身)
  • リーダーシップの能力を変化させ続けるには、これら三つのすべてを変化させる必要がある
リーダーになる方法

従来は考えてから行動するのが一般的だった。しかし、実際に効果があるのは行動してから考えることである。

内省(インサイト)とアウトサイトの違い
内省(インサイト アウトサイト
内部にある知識 外部にある知識
過去の経験 新たな経験
考える 行動する
アウトサイトは行動から生じる

行動から始めてリーダーになる

一番の支援者は外部の人

より優れたリーダーになるために役に立つと回答した人の割合

職場の変化の大きさチェック
  1. 自分の業界が過去数年で大きく変化している
  2. 自社の経営幹部が変わった
  3. 自社の規模が最近大きく拡大、あるいは縮小した
  4. 大きな変革に取り組み中である
  5. 数年前にはなかった新たな競合がいる
  6. 技術によってビジネスのやり方が変化している
  7. 仕事をこなすために、今まで以上に多くのステークホルダーとのやり取りが必要になった
  8. 2年以上同じ仕事をしている
  9. リーダーシップ研修に派遣されたことがある
  10. ビジネスの国際化が進んでいる

2章

要約
  • 成功は能力の罠を作り出す。特に、次の三つが起こった場合
    • うまくできることが楽しいため、より多くの仕事をより上手にこなす
    • 最もうまくできることにさらに時間を割いていると、ほかにもある重要なことを学ぶ時間が少なくなる
    • 時間が経てば、新しいことを学ぶための投資がそれだけかさむ
  • リーダーとして行動するためには、次の四つのタスクに時間を割くことが重要。能力の罠に陥るとこれらを学ぶことはできない
    • 多様な人やグループの橋渡し役となる
    • 新たな可能性を描く
    • 変化のプロセスに他人を巻き込む
    • 変化を表現する
  • これらのことを直接学ぶことは難しい。新しい仕事のメリットがないときは特に難しい。現状にかかわらず、自分の仕事をリーダーシップを高めるためのプラットフォームにするために、次の五つをすることが重要
    • 自分が現在置かれた状況を感知するアンテナを磨く
    • 自分の領域外のプロジェクトに関与する
    • 社外活動に参加する
    • なぜそれをやるのかという個人的な思いを伝える
    • スケジュールに余裕を持たせる
ハブ型と橋渡し役型

リーダーとして評価が高いのは橋渡し役

ハブ役

  • チームのために目標を設定する
  • チームメンバーに役割を割り当てる
  • タスクを割り当てる
  • 目標への達成度をモニターする
  • チームメンバーの業績を管理し、評価を行う
  • 作業を調整するために打ち合わせを行う
  • チーム内の空気をよくする

橋渡し役

  • チームの目標と組織の優先項目を合わせる
  • 目標に向かっての進捗を確実なものにするため、重要な情報と資源をチームに与える
  • チーム外部の重要な協力者から支援を得る
  • 外部のチームと認知度と評判を高める
  • 優れた業績を上げたら認め、次の機会に重要な役割を与える
自己評価と周囲の変化の差

ビジョン策定、権限移譲は周りの評価と比べて自己評価が高い

各能力のスコア

変化を起こすステップとスタイル

2列目、いくつかの項目で理解できてない

変革を起こすステップ スタイルの選択肢
危機感を醸成する どの情報を利用するか
チームを作る どこまで巻き込むか
ビジョンを作り出す どんな人を巻き込むか
ビジョンを伝える どこまで伝えるか
実行する権限を与える どのようにアイデアを売り込むのか
小刻みに成果を実感させる 自分の役割は何か
組織内のシステムとプロセスに変化を組み込む どんな速さで進むべきか

3章

要約
  • リーダーシップへの転機に差し掛かると、所属する組織やチーム、密接な関係から離れた外部でのネットワーク作りは、目指している将来像の生命線となる
  • ネットワーク作りはリーダーとしての役割の重要な要素に一つであり、それを理解する唯一の方法は行動することである
  • 成り行きに任せて自然な相性だけで人付き合いしていると、ネットワークは自己愛と怠惰に支配される
  • 物事を成し遂げ、個人的にも仕事上でも成長し、リーダーとしての役割を担うようになるためには、業務的、個人的、戦略的ネットワークの三つが必要。優れたマネジャーはほとんどの場合、優れた業務的ネットワークを持っている。個人的ネットワークとリーダーとしての業務は切り離されている。戦略的ネットワークは存在しないか活用されていない
  • ネットワークのA (Advantage、アドバンテージ) = B (Breadth、幅広さ) + C (Connectivity、つながり) + D (Dynamism、活力)
    • 幅広さ:多様な人との強固な人間関係
    • つながり:つながりのなかった人やグループを結びつける、あるいは橋渡しになる
    • 活力:個人の成長とともに進化する、活力に満ちた幅広い連携 ←あいまいだし、幅広さと重複してない?
  • 現在の外部ネットワークの周縁部から戦略的ネットワークを拡張したり再構築したりして、自分に対するアウトサイトを高める第一歩とする。
    • 外部の助言を求める
    • 今までとは違った機能や支援を行うグループから、情報や視点を引き出す
ネットワークの利用方法
  • トレンドを感知し、好機を見出す
  • 多様な分野のオピニオンリーダーや才能ある人とのつながりを構築する
  • 今以上の価値を生み出すために責任の範囲を超えて協業する
  • 集団的思考を回避する
  • 画期的なアイデアを生み出す
  • キャリアについてのチャンスをつかむ
3種類のネットワーク:業務・個人・戦略
業務 個人 戦略
目的 現在の仕事を管理し、効率的に終わらせる 個人的・専門的に楽しみながら成長する リーダーとして周囲の状況を理解し、戦略的アイデアを縛り、周囲の支持を得る
場所 内部 外部 内部・外部の両方
期間 短期的視点 短中期的視点 中長期的視点
主な人間関係 個人の裁量はない。自分にとって重要な人はタスクや組織構造に規定される 自分個人の裁量がある。自分にとって重要な人は現在の興味と直近のキャリアの優先順位を基準に作られる 自分個人の裁量はあるが、戦略との関連性が重要。自分にとって重要な人は産業や組織環境によって決まる
ネットワークの幅広さ(breadth)

社外や部下のネットワークを広げることが重要

最小値 平均値 最大値
専門領域外の人 0 43 100
部門外の人 0 36 95
社外の人 0 27 88
先輩・上司 4 32 100
同僚・同じ立場の人 0 31 89
部下・後輩 0 27 79

自分のネットワークとして認識している人の割合

ネットワークのつながり

ネットワークの密度(お互いに知り合いの人の割合)が高くなりすぎないようにする ※低すぎても良くない

ネットワークの密度

ネットワークの活力
問題のあるネットワーク
  • メンバーが自分の同類で構成されている
  • 将来ではなく、過去についてのネットワークである
  • メンバーは全て内部的なもので、お互いに知り合いである
  • 固定観念に縛られ、メンバーが今までと違ったことをするのを理解できない
ネットワーク拡大に役立つ活動への投資
  • プロジェクトや業務を戦略的に利用する
  • 課外活動に投資する
  • 自分の興味に関するコミュニティを作る
  • 普段合わない人とつながりを持つために、ランチや出張を利用する
  • 受け身のネットワーク機会よりも、積極的なネットワーク機会を利用する(顔を出すだけでなく、発表したり、イベントを企画したりする)
  • ソーシャルメディアを使って自分の興味を伝え、より多くの共有してくれる人に届ける
既存のつながりをネットワーク拡大に利用する
  • 推薦や紹介を依頼する。他の人のために自分も推薦や紹介をする
  • 関係構築のために簡単な頼みごとをする
  • 新しい人に合う前に予習する
  • お礼状を書いたり、記事のリンクを送ったり、ソーシャルメディアを使ってフォローアップする
  • 自分の知り合いがネットワークづくりをする手助けをする
ネットワークを拡大する実践的なステップ
  • 業務内のスタートアップ企業を訪れてみる。既存の企業が新製品や新サービスで主導権を握ることができない理由を考えてみる
  • 今まで出席したことのないカンファレンスに出席する。少なくても3人の知らない人に合う。フォローアップも忘れないようにする。
  • リンクトインフェイスブックのグループを立ち上げる。そのグループのメンバーのコネクターになる
  • 社内のミレニアル世代の人と一日過ごしてみる。その人からソーシャルメディアの使い方を学ぶ
  • ベンチャーキャピタリストと連絡を取る。その人のリーダーシップとイノベーションについての考えを聞き出す。
  • 大学や地元のカレッジで講義をする。学生から学ぶ
  • 競合企業の同僚とランチへ出かける。自分の市場価値についてさらに学ぶ
  • ブログを始める。誰が読んでいるのかを知る。
  • 次の出張を利用し、音信の途絶えている人と連絡を取る。新しい人とネットワークを作るときに、その人に手伝ってもらう

4章

要約
  • リーダーの役割を担うときに直面する典型的な課題は多くの場合、自分を偽っているように感じるということ。以下、その例。
    • 新しい役割を担当する
    • イデアを売り込む
    • 上司を手なずける
    • 未知の文化の中で働く
    • 否定的なフィードバックから学ぶような場合に直面する
  • カメレオン型の人は新しい状況に合わせて外見やスタイルを変えることを厭わない。一方、自分らしさ追求型の人は自分の安全地帯の外へ出ていかなくてはならない場合、真の自分ではないと感じることが多い。
  • リーダーの役割を担おうとしているときに、真の自分であることの罠はトラブルのもとになる。なぜなら真の「自分」だと思っているものが、実際は捨てようとしている古い自分自身だからである
  • 真の自分であることの罠から逃れる方法の一つは、実際に取り組む代わりに、自分が何者であるかという感覚で楽しみながら新しい行動を試すことである。新しいふるまいは最初は不自然に感じるかもしれないが、実際にそうなると決めて取り組まなくても、自分がどうなりたいかを理解するのに役立つ。遊ぶことで自分自身のアウトサイトを知ることができる
  • アイデンティティは自分が何者であるかということで、過去のことだけではない。それは将来の自分自身のために思い描く可能性でもある
  • 自分が何者であるかという感覚で遊ぶことができる考え方は次の三つ。
    • アーティストのように盗む。さまざまなロールモデルを観察して、その中から自分が学びたいと思うことのコラージュを作り出す。それが本物になるまで改良を続ける
    • 学ぶことを志す。実績目標だけでなく、学習目標を設定する
    • 自分のストーリーにこだわらない。別のバージョンを試し、別の決定的な瞬間を語り、自分の履歴書と同じように編集し続ける。
カメレオン型か自分らしさ追求型か

以下の4つの項目に当てはまるほど、自分らしさ追求型になる。

  1. 他の人の行動を真似ることができない
  2. 自分の行動は、内に秘めた本当の感情、態度、信条が現れたものであることが多い
  3. パーティーや懇親会で、ほかの人が気に入りそうなことをしたり1. 自分が信じている考え方しか議論しない。 言ったりしたことがない

以下の3つの項目に当てはまるほど、カメレオン型になる。 1. 自分がよく知らない話題についてさえ、即興でスピーチできる 1. 人を感動させたり楽しませたりするために一芝居打つことができる 1. ある社会的な状況ではどう行動するか確信が持てないとき、他人の振る舞いからヒントを得る

真の自分であることを定義することの問題点
定義 問題点
自分に忠実である 今までと違う役割を果たすときは、今までとは違う行動と考えを取るが、新しい役割を引き受けたとき、どう考え、どう行動すればよいかわからない
「真の自分」を表現する振る舞い(例:行動の「正確さ」・透明性、自然に無理なく行動できる能力) 考えたり、感じていることをすべて明らかにすれば信頼を失う(特にまだ認められていないとき)
「一貫性の」ある行動をとる(例:社会的に課せされた価値や行動を受けれるのではなく、道義をわきまえ、価値観に従った意思決定を行う) 他者は必ずしも自分の価値を理解し、共有していない。現在の価値は過去に行ったことに根ざしている
確立されたカテゴリーの「模範」に忠実である(例:リーダーのように物を見て話す) 自分がリーダーというカテゴリに合ってないと見ると、周囲にいる人は疑いの目を向ける。一方、「本物になるまでそのふりをする」と、自分を偽物のように感じてしまう
真の自分に固執することの4つの課題
  1. どの環境の自分が真の自分なのか。環境や相手によってふるまい方は変わる
  2. どの時間の自分が真の自分なのか。過去・現在・未来によって変わる
  3. 自分を変えることは「適応力がある」というメリットにもなる
  4. 自分のアイデンティティはコントロールできない
良い盗み vs 悪い盗み

オースティン・クレオンによる良い盗みと悪い盗みの区別

良い盗み 悪い盗み
敬意を払う 作品を汚す
本質を学ぶ うわべだけすくう
いろんな人から盗む 一人から盗む
権利を尊重する 盗用する
作り替える 模倣する
リミックス パクリ

5章

要約
  • より重要なリーダーの役割にステップアップすることは一過性の出来事ではない。結果がでるまで時間のかかるプロセスである。それは小さな変化からなる転機である
  • 変化のための手法の多くは目標、つまり自分が望む結果を思い描くことから始めるように求められることが多い。しかし実際には、どのようなリーダーになりたいか知ることは、ステップアップのプロセスの最初ではなく最後に来るものである
  • 転機のプロセスが直線的に進むことはほとんどない。必ず困難と複雑な事態が発生し、しばしばそれに続いて五つのステージが起こる
    • 反証
    • シンプルな足し算
    • 複雑化
    • 軌道修正
    • 内在化
  • 予期せぬ問題が起き動揺してしまったときには、新しく学んだことを振り返り、自分のものにすることが必要になる。つまりアウトサイトを取り入れなおすのである。そうすることで結果として起こる変化は、自分の直接の経験に基づいた新しい自己像によってもたらされる
個人の変化のプロセス

個人の変化のプロセスはどれも3つの部分から構成される:A、B、転機。Aは現在の状態で、どのように物事を行い、現在の自分が何者かを指しています。それは最善のものではないかもしれませんが、何を期待しているかわかるため、慣れ親しんだ快適な状態です。私たちはAでの成功経験があり、Aを行うときにはどのような基準で評価されるかを知っています。一方Bは、なりたいと思っている未来の状態ですが、未知の状態です。目指している状態ですが、最初からはっきりしているわけでも明確に定義されているわけでもありません。また、未来の状態は転機を通して苦労して進んでいく過程で変化することが多いのです。Bは、自分の変化に合わせて変化する傾向があります。

AからBへ変化するプロセス

リーダーのステップアップのステージ

第1ステージ:反証

  • 自分の現状と理想にギャップを感じる
  • 最初の一歩を踏み出したい気持ちが高まっている

第2ステージ:シンプルな足し算

  • 新しい役割や振る舞いを加える(古いものをそのまま続ける)
  • アウトサイトが増し、解決しやすい問題を片づけて小さな成果を得る

第3ステージ:複雑化

  • 後戻りや挫折を味わう
  • 新旧の振る舞いに時間を割くことに疲れ、周期から「古い」自分を期待されることを煩わしく感じる

第4ステージ:軌道修正

  • 苛立ちを感じ、キャリア上の大きな疑問が生じる
  • 「アウトサイトを取り入れなおす」ための時間として古い目標を再検討し、新しい目標を作るために新しい経験を振り返る

第5ステージ:内在化

  • 変化が定着すること。新しいアイデンティティが変化を引き起こし、理想の状態を表現できる
複雑化における成長のモデル

成長のモデル